2026.11.08 / VOL. 45 / 全 743 記事

トリウィア

高解像度な本音。

ぼんやりした世論を、Webディレクターの解像度で鮮明に、かつ辛口に切り出す記録。

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バックアップを「クラウドに同期してるから大丈夫」と言ってるアンタ。同期は、消したことも同期するよ

同期とバックアップは別の仕組みです。同期は変更をそのまま反映するので、誤って消した場合や暗号化された場合も伝播します。違いと、両方を揃える方法を解説します。

テクノロジー

写真もファイルもクラウドに入れている。だからバックアップは済んでいる。それ、画面を2枚つないでミラーリングして、二重化したと言っているのと同じだよ。元が壊れたら、両方壊れる。

同期とバックアップは別物

まず性質を分けておきたい。

  • 同期 — 変更を他の場所に反映する。消したら、消したことも反映される
  • バックアップ — ある時点の状態を別に保存する。元が変わっても、保存した時点は残る

同期の目的は「どこでも同じ状態にする」ことだ。守ることが目的ではない。間違いも忠実に反映する。

同期で失われる場面

実際に起きるのは、こういうときだ。

  • 間違って消した。他の端末からも消える
  • 上書きした。前の内容が残らない
  • 暗号化する不正なプログラムに当たった。暗号化された状態が同期される

3つ目が最も厄介だ。同期しているすべての場所が、読めない状態になる。

同期サービスの履歴機能

多くの同期サービスには、過去の版に戻す機能がある。これは使える。

  • 一定期間なら、前の版に戻せる
  • 消したファイルも、一定期間はごみ箱に残る
  • ただし保存される期間には上限がある

3つ目が条件だ。期間を過ぎたものは戻せない。気づくのが遅れると間に合わない。無料の範囲では期間が短いこともある。

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揃えるべき3つの条件

データを守る形にするなら、この3つを満たす。

  • 複数の場所にある — 1か所が壊れても残る
  • 別の種類の媒体にある — 同じ故障の仕方をしない
  • 切り離されたものが1つある — 常時つながっていないもの

3つ目が同期では満たせない。常時つながっているものは、同じ事故に巻き込まれる。外付けの装置を取り外して保管する、別の仕組みに定期的に書き出す、といった形が要る。

実際にどう組むか

個人の範囲なら、こういう組み方になる。

  • 日常の作業はクラウドで同期する。端末が壊れたときに備える
  • 月に1度、外付けの装置に書き出す。終わったら取り外す
  • 重要なものは、別のサービスにも置く

2つ目の「取り外す」が肝心だ。つないだままにすると、切り離されたものが無い状態に戻る。

戻せるかを確認する

一番飛ばされやすい工程がこれだ。

  • 保存されているだけでは、確認になっていない
  • 実際に数ファイル取り出して、開いてみる
  • 年に1度は、全体を戻す手順を試す

2つ目だけでも効果がある。保存はできていても、開けない形式になっていることがある。

よくある失敗

確認して見つかるのは、だいたいこの種類だ。

  • 一部のフォルダが対象から外れていた
  • 容量が尽きて、ある時点から止まっていた
  • 保存されているが、復元に必要な情報が無い

2つ目が多い。自動で動くものは、失敗していても気づかない。月に1度、最新の日付と容量を見る。

スマホのデータ

パソコンと別に考える必要がある。

  • 写真はクラウドに上がっていても、設定やメッセージは別の扱いになることがある
  • 端末のバックアップと、アプリごとの同期は別の仕組み
  • 機種を変えるときに、移るものと移らないものを確認する

3つ目は10月分の記事でも触れた。OSの移行機能でまとまるのは一部で、アプリごとの引き継ぎは別に必要になる。

何を守るか決める

全部を同じ強度で守ると、手間が続かない。

  • 作り直せないもの — 写真、書類の原本、やりとりの記録
  • 作り直せるが手間がかかるもの — 設定、作業中のファイル
  • 作り直せるもの — 入手し直せるソフトやデータ

1つ目だけでも、3つの条件を満たしておく。優先順位をつけると、続けられる形になる。

まとめ

  • 同期は変更を反映する仕組み。消したことも反映される
  • 履歴やごみ箱で戻せるが、保存期間に上限がある
  • 複数の場所、別の媒体、切り離されたものを1つ揃える
  • 外付けの装置は、書き出したら取り外す
  • 保存されているだけでは確認にならない。取り出して開いてみる

バックアップは、戻せて初めてバックアップになる。保存した画面を見て安心するのは、まだ半分だよ。

参考・出典

※制度・統計・ガイドラインは改定されることがあります。実際の手続きや判断にあたっては、各機関の公式サイトで最新の内容をご確認ください。(リンク最終確認: 2026年10月3日)

書いた人

トリウィア編集部

ぼんやりした世論を、仕様書を読む解像度で切り出しています。Webディレクター兼エンジニア。