今回のニュースのポイント
大阪府が若者向けに制作・公開した違法ギャンブル防止の啓発動画が、SNS上で「不適切」「誤解を招く」と物議を醸し、28日に一時公開停止となりました。この動画は、昔話の「桃太郎」をモチーフに、ギャンブル依存症の克服を「鬼退治」に例えて描いたものでしたが、その表現方法が批判の的となりました。
事件(ニュース)の背景
大阪府は、若年層における違法ギャンブルの利用増加に危機感を抱き、その実態や危険性を分かりやすく伝えるための啓発活動の一環として、この動画を制作しました。動画では、主人公の桃太郎が仲間と共に「ギャンブル依存症」という鬼に立ち向かい、克服していくストーリーが展開される予定でした。しかし、公開された動画の表現が、「ギャンブル依存症は鬼のように退治できるものなのか」「当事者への配慮に欠ける」といった批判をSNS上で招き、多くのユーザーから疑問や不満の声が上がりました。府は、こうした反響を受けて、動画の表現方法について再検討するため、一時的に公開を停止する判断に至りました。
筆者の視点
今回の大阪府の啓発動画を巡る騒動は、「伝える」ことの難しさを改めて浮き彫りにしました。違法ギャンブルという社会的な課題に対し、若者に響くような斬新なアプローチを試みたことは評価できる点かもしれません。しかし、その表現が当事者や関係者の心情に配慮を欠き、かえって誤解や反発を招いてしまっては、本来の目的から大きく外れてしまいます。
「桃太郎」という誰もが知る物語に例えることで、親しみやすさを演出しようとした意図は理解できます。しかし、「鬼退治」という単純な構図でギャンブル依存症という複雑な問題を語ることは、危険であると言わざるを得ません。依存症は、個人の意思の力だけで克服できるものではなく、専門的な支援や周囲の理解が不可欠な病です。安易な「退治」という言葉は、当事者の苦悩を矮小化し、スティグマ(負の烙印)を助長する可能性すらあります。
今回の教訓を活かし、大阪府には、より慎重で、当事者に寄り添った表現方法を検討していただきたいものです。啓発活動は、単に情報を伝えるだけでなく、社会全体の理解を深め、共感を醸成することが重要です。今後、どのような形で啓発が進められるのか、注目していきたいと思います。
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