ふるさと納税の上限を「去年と同じ」で計算してるアンタ。その上限、今年の収入で動いてるよ
ふるさと納税の控除上限額は、その年の所得と控除の状況で決まります。収入が変わった年、医療費控除を使う年、住宅ローン控除がある年は上限がずれます。計算の前に確認する項目を解説します。

去年と同じ額を寄附して、同じようにワンストップ特例を出す。毎年の作業として定着している。それ、入力値が変わったのに去年の上限値を使い回しているのと同じだよ。超えた分は、ただの寄附になる。
上限は「その年の所得」で決まる
ふるさと納税で控除される額には上限がある。その上限は、その年の所得と、適用される控除の状況で決まる。去年の収入で計算した上限は、今年の上限ではない。
上限を超えて寄附した分は、控除されない。返礼品は届くが、負担は負担のまま残る。制度の仕組み自体は総務省のポータルサイトに整理されているので、仕組みの確認はそこを見るのが確実だ。
収入が変わった年は、必ずずれる
次のような年は、上限が去年と違う。
- 転職した。給与の水準が変わった
- 産休・育休を取った。その年の給与が減った
- 残業が大幅に増えた、または減った
- 退職した。給与が年の途中までしかない
減った方向のずれが怖い。去年の上限で寄附すると、今年は超えている。増えた方向なら、枠を使い残しているだけで損はしない。
控除を増やす年も、上限が下がる
見落としやすいのがここだ。他の控除を使うと、ふるさと納税の上限は下がる。
- 医療費控除 — 大きな医療費がかかった年は影響が出る
- 住宅ローン控除 — 控除額が大きいと、ふるさと納税で控除できる余地が減る
- iDeCoの掛金 — 小規模企業共済等掛金控除が増えると上限が下がる
どれも所得税や住民税を減らす方向に働く控除だ。減らす相手が小さくなれば、ふるさと納税で減らせる幅も小さくなる。
住宅ローン控除との組み合わせに注意
特に住宅ローン控除がある人は、確認しておきたい。控除で納税額が小さくなっていると、ふるさと納税の控除が入り切らないことがある。
ワンストップ特例を使うと住民税から控除され、確定申告をすると所得税と住民税の両方から控除される。どちらの経路を使うかで結果が変わる場合がある。住宅ローン控除の初年度は確定申告が必要なので、ワンストップ特例の申請は無効になる点も合わせて押さえておく。
ワンストップ特例が使えない場合
申請書を出したつもりでも、条件を外していることがある。
- 確定申告をする年 — 医療費控除や住宅ローン控除の初年度など。申請は無効になり、確定申告で寄附金控除を申告する
- 寄附先の自治体数が条件を超える場合 — 件数に制限がある
- 申請書の提出期限を過ぎた場合 — 翌年の決められた日までに自治体へ届く必要がある
1つ目が一番多い。年の途中でワンストップ特例を出していても、後から確定申告をすることになったら、寄附金控除も申告に含める。含めないと、控除が丸ごと抜ける。
12月に駆け込まない
10月分の記事でも書いたが、年末は混む。
- 人気の返礼品は在庫が切れる
- 配送が遅れる
- 決済の締めに間に合わないと、翌年分になる
3つ目が致命的だ。その年の寄附として扱われるかは、決済が完了した日で決まる。12月31日に申し込んでも、決済が翌年になれば翌年分だ。自治体ごとに締めの扱いが違うので、余裕を持って動く。
やっておくと楽になること
毎年の作業として回すなら、記録を残しておく。
- 寄附した自治体と金額の一覧 — 確定申告のときにそのまま使える
- 受領証明書の保管場所を1か所にする — 申告で必要になる
- その年の上限を計算した根拠 — 翌年、何を見たか思い出せる
3つ目が効く。収入と控除のどの数字を使って上限を出したかを残しておけば、翌年は差分だけ見ればいい。
まとめ
- 控除の上限はその年の所得と控除の状況で決まる。去年の上限は使えない
- 収入が減った年は、去年の額だと超える
- 医療費控除・住宅ローン控除・iDeCoがあると、上限は下がる
- 確定申告をする年は、ワンストップ特例の申請が無効になる
- その年の寄附として扱われるかは決済の完了日で決まる。12月は余裕を見る
上限を超えた寄附は、ただの寄附だ。それが目的ならいいが、控除を期待していたなら計算を見直す時期だよ。
参考・出典
※制度・統計・ガイドラインは改定されることがあります。実際の手続きや判断にあたっては、各機関の公式サイトで最新の内容をご確認ください。(リンク最終確認: 2026年10月3日)