最新版を入れれば間違いないと思ってるアンタ。古い機械では、新しいほうが動かないよ
2014年のMacBook AirにLinux Mintの最新版を入れたら、内蔵SSDが見えなかった。ひとつ前のLTSにしたら動いた。古い機械で起きることと、その対処。

パソコンが古くなって、OSの更新が止まる。買い替えるほどでもないが、使い道もない。そうして押し入れに入ったまま、という機械がたいてい1台はある。
そういう機械にLinuxを入れると、まだ数年は動く。ただしそのとき入れるのは、最新版ではないほうがいい場合がある。2014年のMacBook Airで実際に詰まった話として書く。
更新が止まった機械は、まだ壊れていない
OSの更新が止まるのは、機械が壊れたからではない。作っている側が、その型を対象から外しただけだ。中の部品は普通に動く。
止まると困るのは、更新が来なくなることでセキュリティの穴が塞がれなくなる点にある。だから穴が塞がり続けるOSに載せ替えれば、機械は使えるという理屈になる。
載せ替えるとどうなるか
今回の機械は2014年のMacBook Air。1.4GHzの2コア、メモリ8GB、ストレージは256GB。いまの基準では非力だが、文章を書く、調べ物をする、動画を見るといった用途なら十分に動く。
最新版を入れようとしたら、ディスクが見えなかった
ここからが本題だ。Linux Mintという、入れやすいことで知られるOSを選んだ。当然のように最新版(22.3)を選んだのが間違いだった。
USBから起動して、インストール先を選ぶ画面まで進んだところで、内蔵のSSDが一覧に出てこない。手動で指定しようとすると、インストーラーごと落ちる。
気づかずに進むと、USBに入る
怖いのはここだ。内蔵SSDが見えていないのに、USBメモリは見えている。そのまま進めると、USBメモリにOSを入れてしまう。インストール先の欄がUSB側になっていた。
「なんとなく進めたら終わった」で済まない。どこに入れようとしているかは、必ず自分で確認する。
つながってはいた。名前を名乗らなかっただけ
ログを見ると、状況がはっきりした。
- SSDとの接続はできている(6.0Gbpsでつながったと出ている)
- そのうえで、「何のディスクか」を問い合わせる段階で失敗している
線はつながっているのに、相手が名乗らない状態だ。線が切れているのとは違う。
SSD自体が壊れた可能性も考えたが、元のOS側で確認すると診断は正常だった。つまり壊れていない。
ひとつ前のLTSにしたら、あっさり動いた
残る疑いは、新しいOSの中核部分(カーネル)と、この古いSSDの相性だった。そこでひとつ前の版である 21.3 でUSBを作り直した。
結果、内蔵SSDは普通に認識された。そのままインストールして終わり。ここまで数時間かけた問題が、版を下げただけで消えた。
なぜ新しいほうが動かないのか
新しい版は、新しい機械に合わせて中身が書き換えられていく。その過程で、古い部品向けの例外的な処理が整理されることがある。整理した時点では誰も困らないが、古い機械を持ち出すと動かなくなる。
つまり新しい=すべての機械でより良い、ではない。古い機械では、古い版のほうが素直に動くことがある。
古い版を選んでも、期限は短くない
「古い版を入れたら、すぐサポートが切れるのでは」と思うところだが、調べると違った。
| 版 | コードネーム | 土台 | サポート終了 |
|---|---|---|---|
| 22.3 | Zena | Ubuntu Noble | 2029年4月 |
| 21.3 | Virginia | Ubuntu Jammy | 2027年4月 |
21系も長期サポート版で、2027年4月まで更新が続く。いまから数えても1年半ある。その機械を使い切るには十分な長さだ。
ほかに引っかかった場所
版の話以外にも、同じ道を通る人が詰まりそうな場所がいくつかあった。
USBに書き込む道具が動かない
定番とされている書き込みソフトがエラーで動かなかった。紹介されている対処法も効かない。結局、Macに最初から入っているコマンドで書いた。
このとき書き込み先の番号を間違えると、パソコン本体のディスクが消える。取り返しがつかないので、番号は二度確認する。「内蔵」と表示されているものは絶対に選ばない。
起動の選択画面にUSBが出ない
Macは電源を入れるときに特定のキーを押すと、どこから起動するかを選べる。ここにUSBが出ないことがあった。少し待つ、挿し直す、反対側の口に挿す、で出てくる。
Wi-Fiが一覧に出ない
インストール直後、Wi-Fiが使えなかった。この年代のMacに載っている無線チップは、別途ドライバを入れる必要がある。入れれば普通に使える。
ただしそのドライバを入れるためにネットが要る。スマホをUSBでつないでネットを借りると進む。先に知っておくと詰まらない。
更新中の「ロック」は、待てばいい
更新の最中に別の作業をしようとすると、エラーのような表示が出続ける。これは先の処理が終わるのを待っているだけで、放っておけば進む。
検索すると「ロックのファイルを消す」という方法が出てくるが、更新中にこれをやると、入っているものが壊れる。待つのが正解だ。
入れたあと、気をつけること
古い版を選んだ以上、そのまま上げてしまうと元の木阿弥になる。
- 中核部分の系列を上げない — 更新の画面で新しい系列を勧められても入れない。同じ系列内の修正は入れてよい
- 22系へ上げない — 上げると、またディスクが見えなくなる可能性が高い
更新を全部止めるという意味ではない。穴を塞ぐ更新は入れて、作り替えの更新は入れないという線引きになる。
今日できる確認
- 押し入れの機械の型と年式を調べる — 2012年以降なら、たいてい載せ替えられる
- メモリの量を見る — 4GB以下なら、軽い種類(Xfce)を選ぶ
- 中のデータを先に取り出す — 載せ替えると全部消える
- 最新版ではなく、ひとつ前の長期サポート版から試す
4番が今回の結論だ。古い機械なら、最初から古い版で試したほうが早い。
まとめ
- OSの更新が止まった機械は壊れていない。載せ替えればまだ動く
- 2014年のMacに最新版(22.3)を入れようとしたら、内蔵SSDが認識されなかった
- 接続はできていて、ディスクの問い合わせだけが失敗していた。SSD自体は正常
- ひとつ前の 21.3 にしたら、あっさり認識した
- 21.3 も長期サポート版で、2027年4月まで更新が続く
- 入れたあとは、中核部分の系列を上げない
古い機械では、新しいほうが動かないことがある。うまくいかないときは、ひとつ前の長期サポート版を試す。覚えておいて損はない。
出典
- Linux Mint「All versions」(各版のコードネーム・土台・サポート終了時期)
- Linux Mint「Linux Mint 21.3 Release Notes」
- Linux Mint「Download」
機械の個体差があるため、同じ型でも同じ結果になるとは限らない。サポート終了時期は上のページで最新の記載を確認すること。本記事は2026年10月12日時点の内容に基づく。