2026.10.02 / VOL. 40 / 全 666 記事

トリウィア

高解像度な本音。

ぼんやりした世論を、Webディレクターの解像度で鮮明に、かつ辛口に切り出す記録。

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バックアップを取ってるつもりのアンタへ。同期はバックアップじゃないよ

クラウド同期とバックアップの決定的な違いと、個人でも実行できる3-2-1ルールの現実的な運用方法を解説します。

テクノロジー

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。

「クラウドに入れてるから大丈夫」。この一言で失われたデータを、私は何度も見てきた。同期とバックアップは、目的も挙動もまったく違う仕組みだ。

同期は「変更を伝播させる」仕組み

クラウドストレージの同期は、ある場所での変更を他の場所へ反映させる。削除も変更のひとつだ。

だから、こうなる。

  • PCでフォルダを誤って削除 → クラウドからも消える → 他の端末からも消える
  • ファイルを上書きして保存 → 全端末で上書き後の状態になる
  • ランサムウェアで暗号化される → 暗号化された状態が全体に同期される

同期が守ってくれるのは「端末が壊れた」ケースだけだ。人為的なミスと、悪意ある改変には無力。むしろ被害を全端末に拡散する。

バックアップは「過去の状態を保持する」仕組み

バックアップの本質は、ある時点のコピーが独立して存在することにある。今のデータがどうなろうと、過去のコピーは変わらない。ここが同期との決定的な違いだ。

主要なクラウドサービスには、削除ファイルの一定期間の保持や、ファイルの版管理といった機能がある。これらはバックアップに近い働きをする。ただし保持期間には上限があり、気づくのが遅れれば復元できない。頼り切るには弱い。

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3-2-1ルール

データ保護の古典的な原則がこれだ。

  • 3: データのコピーを3つ持つ(オリジナル + バックアップ2つ)
  • 2: 2種類の異なる媒体に保存する
  • 1: そのうち1つは物理的に離れた場所に置く

企業向けの原則に見えるが、個人でも十分実行できる。

個人向けの現実的な構成

  1. オリジナル: PC・スマホ本体
  2. ローカルのコピー: 外付けHDDまたはSSD。月1回つないでコピーする
  3. 遠隔のコピー: クラウドストレージ、またはバックアップ専用サービス

ポイントは2番だ。普段はPCから外しておく。常時接続していると、ランサムウェアに感染したときに一緒にやられる。物理的に切り離されていることが、そのまま防御になる。

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何をバックアップするか

全部やろうとすると続かない。失ったら取り返しがつかないものだけに絞る。

  • 写真・動画(撮り直せない)
  • 仕事の成果物、確定申告関係の書類
  • 作成した文書、コード、デザインデータ

逆に、再入手できるもの(購入した音楽、インストール可能なアプリ、OSそのもの)は優先度が低い。

いちばん重要なこと: 復元を試す

バックアップを取っただけで安心している人は多い。だが、復元できないバックアップは存在しないのと同じだ。

年に1回でいいので、実際にファイルを1つ復元してみる。これをやっていない運用は、動作確認をしていないコードと変わらない。いざというときに動く保証はどこにもない。

まとめ

  • 同期は削除も伝播させる。バックアップではない
  • 3-2-1ルール: コピー3つ、媒体2種類、うち1つは離れた場所
  • 外付けドライブは普段外しておく
  • 対象は「取り返しがつかないもの」に絞る
  • 年1回、復元テストをする

参考・出典

※制度・統計・ガイドラインは改定されることがあります。実際の手続きや判断にあたっては、各機関の公式サイトで最新の内容をご確認ください。(リンク最終確認: 2026年9月1日)

書いた人

トリウィア編集部

ぼんやりした世論を、仕様書を読む解像度で切り出しています。Webディレクター兼エンジニア。