2026.10.02 / VOL. 40 / 全 666 記事

トリウィア

高解像度な本音。

ぼんやりした世論を、Webディレクターの解像度で鮮明に、かつ辛口に切り出す記録。

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見積もりがいつも2倍かかるアンタ。それ、毎回同じ理由で外してるよ

作業時間の見積もりが毎回同じ方向に外れる理由を分析し、精度を上げるための分解方法と記録の取り方を解説します。

仕事と組織

「3日でできます」と言った作業が、1週間かかる。次も同じことが起きる。その次も。ランダムに外れているなら学習しようがないが、常に同じ方向に外れているなら、それは偏りであって修正できる。

見積もりが短くなる理由

1. 「うまくいった場合」を想定している

人は計画を立てるとき、順調に進むシナリオを基準にする。割り込みも、仕様の確認待ちも、やり直しも計算に入っていない。

だが実際の作業では、それらは例外ではなく常態だ。例外が起きなかった日のほうが珍しいのに、例外が起きない前提で見積もっている。

2. 見えている作業しか数えていない

「資料を作る」という作業を3時間と見積もったとき、多くの場合そこには次が含まれていない。

  • 必要な情報を集める時間
  • 関係者に確認する時間と、返事を待つ時間
  • レビューを受けて修正する時間
  • 体裁を整える時間
  • 提出・共有する時間

特に待ち時間が抜けやすい。自分が手を動かす時間だけを数えていると、カレンダー上の日数とは一致しない。

3. 過去の実績を見ていない

前回の同じ作業が何時間かかったかを記録していないので、毎回ゼロから推測している。記録が無ければ、精度は上がりようがない。

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精度を上げる方法

1. 分解する

大きな単位で見積もると外れる。1つあたり半日以内になるまで分解する。

分解の過程で、見落としていた作業が見つかる。これが最大の効果だ。「3日」と一言で言っていたものを分解すると、たいてい合計は3日を超える。

分解できない部分があれば、それはまだ理解できていない部分だ。そこが最大のリスクになる。

2. 待ち時間を別枠で書く

作業時間と経過日数を分けて出す。

「作業時間は8時間ですが、途中で法務の確認が入るため、完了は最短で5営業日後です」

この形で伝えると、認識のズレが起きにくい。相手が知りたいのは、たいてい「いつ終わるか」であって「何時間かかるか」ではない。

3. 実績を記録する

凝った工数管理は要らない。作業の開始と終了の時刻をメモするだけでいい。

3か月分溜まれば、自分の見積もりが平均して何倍ズレるかが分かる。仮に1.5倍なら、次からは1.5を掛ければいい。自分の癖を数値で知ることが目的だ。

4. 幅で答える

「3日です」ではなく「最短2日、想定3日、遅くとも5日」と答える。不確実性を隠さずに伝えるほうが、結果的に信頼される。

単一の数字で答えると、それが約束として扱われる。幅で答えれば、リスクを共有できる。

バッファの扱い

余裕を持たせるのは正しいが、やり方に注意点がある。

  • 各作業に個別にバッファを積むと、全体が過大になる。かつ、余裕があると人はその分を使い切る傾向がある
  • プロジェクト全体で1つのバッファを持つほうが効率的。個々は現実的な見積もりにして、全体に予備日を置く

また、バッファは隠さずに明示する。「バッファを含めて5日」と言えるほうが、後で調整もしやすい。

それでも外れたときにやること

重要なのは、外れたこと自体より外れると分かった時点で伝えることだ。

締切当日に「間に合いません」と言われるのと、3日前に言われるのとでは、打てる手が全く違う。遅れの報告が遅れることが、遅れそのものより問題を大きくする。

そして、外れた理由を1行でいいので記録する。「確認待ちで2日止まった」「仕様の認識違いでやり直した」。これが溜まれば、次の見積もりで同じ項目を最初から織り込める。

まとめ

  • 見積もりは「うまくいった場合」に寄る。これは個人差ではなく一般的な傾向
  • 半日以内の単位まで分解する。分解できない部分がリスク
  • 作業時間と経過日数を分けて伝える
  • 実績を記録し、自分のズレ幅を数値で把握する
  • 単一の数字ではなく幅で答える
  • 遅れは、分かった時点で即報告する

参考・出典

※制度・統計・ガイドラインは改定されることがあります。実際の手続きや判断にあたっては、各機関の公式サイトで最新の内容をご確認ください。(リンク最終確認: 2026年9月1日)

書いた人

トリウィア編集部

ぼんやりした世論を、仕様書を読む解像度で切り出しています。Webディレクター兼エンジニア。