来期の体制を人数だけで考えてるアンタ。誰が何を知ってるかを数えてないだろ
体制を人数で設計すると、特定の人しか触れない業務が見えません。知識の偏りを洗い出す方法と、1人しか分からない状態を減らす進め方を解説します。

来期の計画を立てるとき、人数を並べて配置を考える。それ、サーバーの台数だけ見て冗長構成を組んだと言っているのと同じだよ。1台しか持っていないデータがあれば、台数は関係ない。
人数が足りているのに回らない
よくある状態だ。頭数はいるのに、特定の仕事が特定の人で止まる。
- その業務を触れるのが1人しかいない
- その人が休むと止まる
- 止まるので、その人が休めない
3つ目で固定される。休めないから引き継ぐ時間も取れず、ずっと1人で持つことになる。人数を増やしても、この構造は解けない。
知識の分布を数える
人数ではなく、業務ごとに「触れる人が何人いるか」を数える。
- 業務を一覧にする
- それぞれ、1人で完結できる人の数を書く
- 1と書かれた業務を数える
3つ目が課題の総量だ。1の数が多い組織は、人数に関係なく止まりやすい。
「できる」の定義を揃える
数えるときに曖昧になるのがここだ。
- 手順書を見ながらならできる
- 手順書が無くてもできる
- 想定外のときに判断できる
3つ目までできる人を数えないと、実態が見えない。手順書を見ながらできる人は、手順どおりにいかない場面で止まる。
1人しかいない業務から手をつける
全部を同時に解こうとすると進まない。順番をつける。
- 止まったときの影響が大きい業務 — 顧客対応、請求、公開しているもの
- 頻度が高い業務 — 毎日、毎週やるもの
- その人が長く持っている業務 — 引き継ぎの難度が上がっている
3つ目を後回しにすると、さらに難しくなる。持っている期間が長いほど、暗黙の判断が増える。
広げ方の順番
いきなり全部渡すのは無理だ。段階を分ける。
- 手順を書く — まず書き出す。これだけで、見ながらできる人が増える
- 一緒にやる — 隣で見せる。手順書の抜けが見つかる
- 1人でやってもらう — 質問を受ける体制で
- 聞かれた箇所を手順書に追記する
4つ目を省くと、次の人にまた同じ質問をされる。聞かれた箇所が、手順書の抜けだ。
時間を確保する
この作業は、忙しい時期にはできない。
- 広げる時間を、業務時間の中に確保する
- 「余裕ができたら」では永遠に来ない
- 予定として入れる
2つ目が実態だ。余裕ができる時期は来ない。来期の計画に、広げる時間を工数として入れる。
有給が取れない職場の構造
10月分の記事でも触れたが、ここに繋がる。
- 1人しか触れない業務があると、その人は休みにくい
- 休まないので、引き継ぐ機会が無い
- 人を増やしても、その人の業務は移らない
解き方は休ませることから始める。計画的に休みを入れて、その期間を引き継ぎの機会にする。休めない理由を解消するより、休む予定を先に入れたほうが動く。
記録を残す形にする
広げた結果を維持するには、記録が要る。
- 業務ごとに、触れる人の一覧を作る
- 異動や退職があったら、更新する
- 年に1度、1の数を数え直す
3つ目が効く。数が増えていれば、どこかで偏りが戻っている。
人数の計画と一緒に見る
来期の計画に組み込む形も書く。
- 人数の配置と一緒に、知識の分布を並べる
- 1の業務が残る前提で、代替の段取りを決めておく
- 採用で解決するものと、広げて解決するものを分ける
3つ目を分けておく。人を増やしても解決しない問題がある。それは広げる作業でしか解けない。
外注している業務も数える
社内の人だけ数えると、見落としが出る。
- 外部に出している業務も一覧に入れる
- 社内に分かる人が1人もいない業務はないか見る
- 契約が切れたときに回せるか確認する
2つ目が危ない。中身を誰も把握していない業務は、相手が止まると打つ手が無い。
まとめ
- 人数ではなく、業務ごとに触れる人の数を数える
- 「できる」は、想定外のときに判断できるかで判定する
- 影響が大きい業務、頻度が高い業務から広げる
- 広げる時間は工数として計画に入れる。余裕は来ない
- 休めない構造は、休む予定を先に入れると動く
台数ではなく、何台に同じものが載っているかを数える。組織も同じ見方で見ると、止まる場所が先に分かるよ。
参考・出典
※制度・統計・ガイドラインは改定されることがあります。実際の手続きや判断にあたっては、各機関の公式サイトで最新の内容をご確認ください。(リンク最終確認: 2026年10月3日)